玩具 Toys


 成形がたやすく、価格も安いプラスチック製品の普及によって、われわれの生活は大きく変わりました。

 それまでブリキや木でできていた玩具類は、軽くて、色もつけやすく、安価に製造できるプラスチックにとってかわられました。

 軽くて水に浮くプラスチック製の玩具は、どこの浜辺でもたくさん見られます。海で遊ばなくても、道端に落ちたり、捨てられた玩具は、川に流れ込み、川を下ってやがて海にまでやってきます。

小舟


 浜辺には、さまざまな玩具が流れ着きますが、この小舟ほどグッと来たおもちゃはありません。

 通称・バナナウキとも言われる、発泡系の樹脂を使って作られたものです。

 素朴な形をした小舟ですが、軽い素材を用いて浜辺に住むお父さんか、おじいさんが子供や孫のため作ったモノではないでしょうか。これを見ると、親が子供に作って与えると言う、玩具の原初の姿が見えてくるのですよ。

恐竜 Dinosaur

 

 いつの時代も子供に人気のある恐竜の玩具は、プラスチックの一体成型で作られることが多いのでよく漂着します。ただ、五体満足で漂着することは多くなく、しっぽの先が切れていたり、片足が無かったりと、満身創痍の恐竜が珍しくありません。こうした恐竜フィギア類も、時代の流れとともにポーズが変わり、しっぽを地面につけたタイプ(写真上)から、持ち上げたタイプ(写真下)へと変化しています。

人形たち

 

 子供たちが遊んでいた人形などは、飽きて捨てられたのか、浜辺で遊んで置き忘れてきたのかそんな寂しさを感じさせる漂着物です。トイ・ストリーの主人公・アンディーにも似たところがあります。

 ソフビと呼ばれる素材の人形は水に浮きますので、よく漂着しますし、洗って乾かせば、まだ遊べるものもありそうです。けれども、布でできた人形は、中に砂が溜まって、手に負えません。

ぬいぐるみ

 

 ぬいぐるみは手に負えないコトが分かっているのですが、寒空の下で北陸の海岸に「モンチッチ」がいたら、拾わずにはいられませんよね。三里浜の砂はそんなに細かなものではありませんが、掃除機で吸い取ったり、洗ってまた乾かして吸い取り・・・そんなことを1週間ほど続けましたが、いまだに砂粒が落ちてきます。(笑)


豚の貯金箱

 

 日本海側の各地では、韓国からやってきた豚の貯金箱が見つかります。

 子供をたくさん産む豚は、豊穣や、富の象徴とされており、その形をモチーフにした貯金箱があります。英語で貯金箱をPiggy-Bankと言うのも、頷けます。

 この貯金箱はプラスチック製のために軽く水に浮くので、特に秋から冬にかけて日本海側に漂着物が増える時期に見られます。かっては赤色ばかりでしたが、最近ではさまざまな色や形のものが漂着します。

ままごとの手鏡

 

 昭和30年代に育った私のまわりには、「ままごと」をした遊ぶ子供たちがたくさんいました。

 もちろん私も、庭先のゴザの上に座り、仲良しだった康子ちゃんと一緒にままごとをして、小さな茶碗でご飯を食べるフリしたりしていましたが、今の子供たちってするのかな?

ステゴサウルス

 

 恐竜の模型・フィギアは、漂着する中でも数の多いものです。

 このフィギア、実は非常に薄っぺらなものです。台座の部分は1.5cmほどの奥行きがありますが、胴の最も厚い部分でさえ3mmほどです。ですから、玩具の射撃の標的かもしれません。さて、ステゴサウルスはアメリカのジュラ紀の地層から見つかった恐竜ですが、特徴的な背中の装甲板はこんなに多くありませんよ。(笑)

チャンギとシャンチー

 

 これらは、アジア各国で使われる将棋の駒。

 左のチャンギ・장기は、韓国の将棋で朝鮮将棋とも言われています。駒の形は八角形

 右のシャンチーは、中国やベトナムで使われるもので象棋とも言われています。駒の形は円形で、素材はプラスチックが多いのですが、稀に木製の駒も漂着します。

クリアーな麻雀牌

 

 日本海側の浜辺を歩いていると、時折透明(クリアー)な樹脂の麻雀牌が転がっているのを見かけることがあります。

 これは中国で使われているもののようで、以前横浜の中華街でも見かけたことがありました。この麻雀牌、漂着した状態が悪くないことなどから、船で運んでいる途中に積荷が落下して、それが漂流しているのかもしれません。

ウルトラマン

 

 テレビに関して、あんまり自慢のできることはありませんが、私の唯一の自慢できることと言えば、ウルトラQ、それにウルトラマンをリアルタイムで欠かさずみていたことぐらいでしょうかね。

 もちろん、我が家には白黒テレビしかなかったので、ウルトラマンのパンツが赤いと知ったのは、かなり後のことでしたが・・・(笑)

キューピー

 

 キューピーちゃんは、アメリカのイラストレーターのローズ・オニールが、1900年代初めにキューピッドをモチーフに作り出したもの。その後世界に広まり、今でもたくさんのキューピーが海に浮かんでいます。


イエローサブマリン

 

 こんな玩具を見れば、脳裏に浮かぶのはビートルズのアニメ映画・イエローサブマリンのテーマソングしかありませんね。

 もちろんアルバムとして出ていますが、私にはアニメと共にあるイメージでしかありません。(笑) それにしても、この歌が日本語吹き替えで、♪黄色い黄色い潜水艦~♪♪と歌われたのには笑っちゃいました。

ケロは人気者

 

 洋の東西を問わず、カエルはデフォルメしやすいので、さまざまなキャラクターが作られています。日本でもコルゲンのキャラクター、ケロちゃん、コロちゃんなどはかなり古くから使われています。

 写真の左は1966年頃の指人形ではないかと思われます。右のオレンジ色のはパチモンでしょうね。

 この歴史は、コーワのケロケロランド♪に詳しく載っています。

夏のカバ、冬のカバ

 

 カバという動物は、なぜか人気があるようで、こうしたフィギアに作られることが多いようです。

 この二つは似たようなポージングですが、型は微妙に異なっています。夏のカバは体表の皺が多すぎて、ま冬の雪の中のカバの方がいいですね。(笑)


ステンシル型

 

 日本海側の浜辺でビーチコーミングをしていると、写真のような直径45ミリほどのステンシル型を見かけます。

 プラスチック製のステンシルは、溝の中に鉛筆を入れてなぞれば、誰でもステンシルの模様と同じ図柄が描けると言うもので、動物やマンガのキャラクターがあるようです。太平洋側で見かけないということは、韓国あたりのものでしょうか?

レゴ LEGO

 

 漂着していたブロックは波にもまれ、砂浜で擦られて角が落ち、手で触れてもあの硬さが無く優しい感触です。

 レゴにはやはりまがい物も出てきており、「なんとかブロック」やらパチモンもいっぱいあります。そんな中で本物は、円柱形に飛び出した部分全てにLEGOの社名がエンボスされていますので識別は難しくありません。この漂着レゴを使ってみましたが、やはり本物はくっつけるのにも何の違和感もありません。

哀しいレゴ

 

 レゴブロックは、誰もが遊んだことのあるカラフルな玩具ですね。レゴ社の名前は、よく遊べ!と言うデンマーク語のLeg Godt"から社名をLEGOとしたそうです。デンマークのレゴ社の作り出したブロックは、質のよい樹脂と製品管理がされていたために、はめ合わせると外れなくて困ったほどでした。 そんなわけで漂着するブロックも、パーツがくっついたままのものまであります。

浜でこんなのを見つけました。なにも燃やさなくてもいいのにね・・・!

プレイモビル

 

 レゴブロックの人形に似ていますが、ちょっと違うこの人形は、ドイツのバイエルン州にあるゲオブラ・ブランドシュテーター社の製造している、プレイモビルというプラスチック製の玩具です。

 レゴに比べて知名度は低いのですが、小さくても質のよいプラスチック製造技術で完成度は高いものです。漂着を見たのは一度きりで、プレイモビルが打ちあがっていたのには驚きました。

砂遊びの道具

 

 砂浜は巨大な砂場ですから、砂遊びにはもってこいの場所ですね。

 そんなわけで、砂遊びの道具を持ってきても忘れていったり、酷い時はそのまま置き去りにしてある事もあります。そうして浜辺に放置された砂遊びの道具は海に流されて漂流し、またどこかの浜辺に打ちあがります。

 夏の海水浴場、わざわざ砂遊びの道具を持参せずとも、浜辺に落ちている事も珍しくありませんね。

 

不思議な玩具

 

 ビーチコーミングで見つける玩具、完璧なものもありますが、やはり壊れていてパーツになったモノも少なくありません。

 

 敦賀半島の水晶浜で見つけたこのプラ製品、何か玩具のパーツと思えますが、元の形がイメージできません。

 下のほうにハングルが記されているので、韓国向けの製品でしょう。

 そして人は、ハードルをやっているように見えますが、ハードルのディフォルメがすごいですね。これは一体どんな玩具なのでしょう?

泥めんこ

 

知多半島の干潟、大潮の干潮時にウロウロしていたら、泥めんこを見つけました。灰色の素地の焼き物で、型に入れて作ったもので、形は鎧兜の大将のようです。手には扇を持ちシンプルなデザインでづが、作られたのはいつでしょう?