文献とリンク

 ビーチコーミングは、フィールドスタディがキホンですが、文献や図鑑などにふだんから親しんでおくことは大切ですね。ここではビーチコーミングを発展させるのに役立つ文献・・・もちろん現行だけではなく、古本屋で探さないと見つからないものもありますが・・・を紹介します。


 また、ネットで検索するだけではなく、役に立つサイトや漂着物を扱っている各地の仲間のサイトも紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

石井忠先生の著作

 

 漂着物学会初代会長であった石井忠先生の著作は漂着物事典が最も知られています。1986年に海鳥社から上梓されたものは、1990年に朝日文庫にも取り上げられました。そして1999年には新編・漂着物事典として、海鳥社から刊行されました。著作は多く、漂着物の博物誌、海辺の民俗学、漂着物探検、ビーチコーミングをはじめよう、などなどあります。

 漂着物学会の仲間から敬愛されていた石井忠先生は、2016年5月30日に、ご逝去されました。ここに謹んでご冥福をお祈りいたします。

中西弘樹先生の著作

 

 漂着物学会二代目会長の中西先生の著作は、研究のテーマは植物がメインですが、漂着物に関わるものも多く、海流の贈り物、漂着物学入門が最も知られています。署名もお人柄を表すマジメな文字ですね。

 単行本以外の論文も多く、漂着物に関わるものでは学会誌12号に掲載された日本に漂着するモダマ属種子の再検討が新しいものです。

柳田國男さんの著作

 

 柳田國男さんの「海上の道」は、漂着物と民俗学に関わった古典として古くから知られています。島崎藤村さんが作った「椰子の実」は、柳田國男さんの語った漂着話に触発された藤村さんが作ったと伝えられています。

 「海上の道」は、筑摩書房から刊行されていますし、定本・柳田國男集は、数多く版を重ねていますので、古本などでは非常に廉価で求めることができます。彼の著作は、漂着物に関わるものが多いです。

 

漂着物展の図録

 

 ビーチコーミングや漂着物が市民権を得るとともに、各地では漂着物展が開催されるようになりました。それだけでもすごいことなのですが、図録まで作られるようになりました。バブル絶頂期に作られた「海の漂着物」は、A4サイズでフルカラー、時代を反映していますね。その後もINAXギャラリーで巡回のあった「漂着物考」展、「渚モノがたり」展でも図録が作られました。

漂着物関連のガイドブック

 

 ビーチコーミングという言葉が本のタイトルになれば、漂着物が市民権を得るとともに、定着してきた証拠にもなります。

 特に関東では、しおさい博物館の館長だった池田等さん、それに平塚市博物館の浜口哲一さんらが、ビーチコーミングの普及を積極的にされ、ハンディなものやカラフルな本作りをされました。

児童書や絵本

 

 児童書では漂着物に関わる本がかなり出ています。

 1993年には浜口哲一さんの「浜辺のたからさがし」が福音館から出版され、2000年には池田さんも加わり「浜辺のコレクション」ガフレーベル館から出版されました。2008年には安延尚文さんらの「はまべのこれなあに?」2013年には三輪一雄さんの「ぼくたちいそはまたんていだん」とステキな絵本が続いて出版されています。

種子のガイドブック

 

 種子や果実のガイドブックはイロイロ出ています。多田多恵子さんの本は読み物としても面白く、種子散布の知識が深まります。

 尚さんの編集された「草木の種子と果実」は代表的な種子を図解するだけでなく、巻末には漂着種子ガイドも載っていますので、嬉しいですね。こうしたガイドで調べても分からないときには、タネを撒いて育てなきゃね!(笑)

ちょっと古い本ですが・・・Ⅰ

 

 海流散布に関わる漂着果実・種子は古くから研究され、一部はステキな絵本にもなっています。「たねのりょこう」は絵本の福音館から出た本ですが、中身がよいので探してみてください。

 植物地理学新考、油桐、どちらも古書で、もし出会う機会があればぜひ読んでいただきたい本です。油桐はククイも載っている昭和初期のモノグラム。

ちょっと古い本ですが・・・Ⅱ

 

 ビニールカバーのかかった保育社のカラーブックスは、昭和のイメージが強い文庫本ですよね。マニアックな方には必要ないのでしょうが、こうしたガイドブックには掲載種が少ない分、探しやすいものがあります。

 特に日本の貝は、そんなに貝が得意じゃない人にもオススメ!基本種だけではなく、イガグリガイや腕足貝もありますから~!!

ちょっと古い本ですが・・・Ⅲ

 

 写真右、バンレイシのカラー図版は、昭和17年に発行された照屋全昌著・熱帯果樹類図説から、図版が美しく、今でも十分使えるものです。

 写真左、海流に漂う果実および種子の図版は、大正15年に発行された金平亮三著・有用熱帯植物誌から、ダーウィンがアゾレス諸島でモダマを拾った話も載っています。二冊とも沖縄の出版社より復刻版が出ています。

クラゲの本

 

 ビーチコーマーに一番なじみのある浮遊性のクラゲといえば、カツオノエボシ、カツオノカンムリ、それにギンカクラゲですが、他にもいろいろいます。

 そんな中で分かりやすい本はこの3冊、キンダーブックの「くらげ」は絵本ですが侮れません。「クラゲガイドブック」は写真がきれいで。「クラゲの水族館」は、カツオノエボシに詳しい読み物です。

陶片の本

 

 私たちのご先祖様たちも陶磁器を使ってきました。でも、割れたモノは捨てられ、そうした陶片は河川や海に溜まっていて、漂着します。

 そうした陶片が作り、使われた年代や背景を知るのに適した本はこの2冊。

 別冊・太陽の「古伊万里」は唐津ものに詳しく、名古屋市博物館発行の「台所の考古学」は、庶民の生活雑器を知る手がかりになります。

漁具の本

 

 海に近い地域の博物館などでは、過去に漁具の展示なども行われてきました。そんな特別展の図録や、漁業に関わる報告書には漁具の使い方や、地域独特な漁具、それに呼び名などが載っていますので、見かけたら求めておくと、漂着した漁具の識別などに役立ちます。過去の漁具などを見ても、基本的な形は変わってないのが分かります。

地域の自然誌

 

 自然観察会などが増えてきた最近では、地域の自然誌を自治体、博物館、それに個人で出すことが増えてきました。こうした著作に目を通すと、地域の自然への理解が深まりますし、書かれた当時との比較もできます。

 ただこうした出版物は、出版されて時間が経つと、入手が難しくなることが多いので、気づいたら早めに入手しておきたいものです。

ものと人間の文化史シリーズ

 

 法政大学出版局が出してきた、ものと人間の文化史シリーズは、人との関わりをもつモノに様々なアプローチをしてきた良書です。

 私は主に漁労関連の著作を中心に読みましたが、気になった民俗や歴史系の漂着物から、関連のあるものを読んでいくと、思いもよらぬ奥の深さに驚くことがあります。

漂着物を描こうと思ったら


 今では、さまざまなタイプのものを描くための本が出版されていますが、「漂着物を描こう!」なんてものは出ていません。けれども、細密画をテーマにした技法書は役に立ちます。別冊・アトリエの「細密画の基礎技法と展開」、「細密画の描きかた」などは、さまざまなテーマを扱っていて使いやすいと思います。ちょっと古い本なので、入手は難しいかもしれません。今の本なら盛口 満さんの「生き物の描き方」がよいでしょう。

 

浜辺の地学


 海岸の地形は、砂浜、岩石海岸、サンゴ礁海岸、干潟などに分類されます。地学を学ぼうと思うと、やはりそれなりの教科書が必要ですね。ここにあげた本は、どれも地学方面からのアプローチで、侵食を繰り返す海岸について書かれたものです。図書館などでの検索に題名だけを列記すれば、浅海地質学、平野と海岸を読む、生きている渚、海岸、Coastsです。

ワタノハスマイル

 

 山形在住の造形作家・犬飼ともさんが、東北大震災の折、ボランティア先の宮城県石巻市渡波地区の子どもたちと始められたオブジェつくりの作品集です。自分たちの家を襲った津波が、奪い去り、そして再び届けた「海ゴミ」と化した、かっての日用品などを素材に、ステキなオブジェを作り上げた子どもたちとのふれ合いが詰まった一冊です。

ワタノハスマイル・ホームページもご覧ください。

 

Amos Woodさんの著作

 

 北米のオレゴン州でボーイング社のエンジニアをしていたウッドさんは、ビーチコーミングを西海岸で続け、漂着する日本の浮き玉をテーマにした本・Beachcombing for Japanese Glass Floatsという浮き玉のバイブルを1967年に上梓され、これは改定を続けながら4版まで出ています。また太平洋側のビーチコーミングガイド・Beachcombing the Pacificも出されました。

浮き玉関連の洋書

 

 日本の浮き玉が漂着するアメリカ西海岸では浮き玉の人気は高く、これまでにいくつもの浮き玉関連の本があります。

 Bert Webberさんは、いくつものビーチコーミング関連の本を出されています。Stu Farnsworthさんらは、浮き玉のプライスガイドを出されています。

Walt Pichさんは、マニア向けの浮き玉本を数冊出されています。

欧米のビーチコーミング関連の洋書

 

 日本と比べ、欧米ではかなり古くからビーチコーミングと言う言葉が使われてきました。イギリスでは1972年、Tony Soperさんが、海洋生物から、漁業材料までを扱ったビーチコーミング全般のガイドブックをかかれています。その後も、欧米では、Norman Hickinさん、Ann Wescott Doddさん、 Joyce Popeさんらによってガイドブックが出版されました。

漂着種子・果実・海豆関連の洋書Ⅰ

 

 漂着種子・果実のバイブルならば、C.R.Gunn&J.V.Dennisさんらが著したWorld guide to Tropical drift seeds and fruitsでしょう。白黒のイラストとテキストですが、へたなカラー写真よりも分かりやすく、漂着植物関連にはまずこれ。 Sea-beans from the tropicはフルカラーの漂着種子関連の読み物ですね。

漂着種子・果実・海豆関連の洋書Ⅱ

 

 漂着種子・果実の洋書はかなり出版されていますので一部を紹介します。

 BSBI発行のSea beans and Nicker nutsは、イギリスの海豆に関する本です。Florida's Living Beachは、フルカラーの大西洋南岸でのガイドブックで、漂着種子・果実・海豆の記載が豊富で図鑑としても使える良書です。

 Seeds of Amazonian plantsは、タイトルそのまんまです。

Web Links

 世界中に張り巡らされた蜘蛛の糸ならぬ World wide Web によって、私たちの生活は大きく変化しました。それまでは重い百科事典が書斎のシンボルでもあったのですが、2000年以降はインターネットの普及により、その存在価値は本棚と床にテンションを加えるくらいしか残っていないのかもしれません。

 もちろん、ネットの情報が完璧と言うわけではありませんが、検索に関してはかなり便利になりました。そんな中でビーチコーミングに役立つサイトを紹介しましょう。

漂着物学会公式ページ

中部地方のビーチコーマーのブログや、役立ちそうなページ

ちょこっと離れた地域のビーチコーマーブログなど